エジプトにおける現地調査を行い、これまで文献資料から得てきた情報を確認するとともに、現地調査でしか収集できない実情などについての資料や情報を収集した。 統計局等において資料を収集するとともに、エジプト‐日本科学技術大学(E-JUST)、カイロ市にある3国立大学の教員やEconomic Research Forum(ERF) 等の研究者との意見交換や卒業生たちからの聞き取りを行った。特にE-JUSTの学長、副学長、教員から現在のエジプト政府が進めている高等教育政策についての聞き取りや意見交換を行った。 特に国立の大学院大学として開設されながら、これまでにない有償の学部の開設を計画しているE-JUSTの学長、副学長、教員たちからの市場化、グローバル化対応への方針や意見交換は現在エジプト政府が進められている高等教育政策の方向、無償の高等教育から有償のそれへの転換と、現実の開設計画を知る上で非常に有益なものであった。他大学の教員たちからの聞き取りからは、文献資料からは知ることのできない無償制の原則下で実質的有償化が進行している国立大学の教育現場の実態と現在進められている教育政策とそれに伴う課題等についての情報を得ることができた。また、国立大学エリート学部の卒業生たちから教育現場の状況や就職問題等についての聞き取りを行い、文献資料や大学、あるいは大学教員・スタッフから得られた情報の補足、修正、確認を行った. 現地調査の結果、27年度はこれまでの文献に基づき構成された分析の枠組みを、新たな情報や知見を踏まえて見直した。現在、文献等で収集してきた資料を再度新たな枠組みに沿い再分析しつつ報告書を作成している。
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