エジプトにおける高等教育、特に国立大学の拡大のメカニズムを教育制度及び歴史的経緯の中で明らかにした。また、財政的措置の裏付けのないその拡大により、非常に高い学生/教員比率の文系学部や実験や機器の操作をすることもできぬ理系学部という著しい教育のレベルの悪化をもたらした。 そうした中で解決法として高等教育に「市場化」の論理が持ち込まれた。市場化の試みのひとつが国立大学内に高い授業料を要求する「外国語コース」の開設であった。それがどのようなものであるかを明らかにし、分析することを通して、この市場化政策の効果は限定的であり、根本的な解決法とはなっていないことを明らかにした。
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