2015年末のASEAN経済共同体発足による域内自由化加速の流れは、学生・労働者・資格の移動を促し、地域の高等教育調和化を後押ししている。この調和化は、技術面(学位、単位など)で各国の多様性尊重の上で進められてきているが、政治面(大学自治や言論の自由など)では各国の政治体制の違いから多くの困難がみられる。ベトナムは国の政治体制を維持しながらグローバル化に対応する必要があるため外国モデル大学の設置を進める一方、ミャンマーは、硬直した中央集権的制度や人材・インフラの不足が国際的活動を阻害する要因になっており、国際的な活動を促進するためには国内の高等教育改革がまず必要であるというジレンマを持つ。
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