本研究では,大学における自閉症スペクトラム障害(ASD)の「問題状況」およびASDへの支援体制の状況を明らかにし,ASDに対する支援体制モデル構築を目指した。そのため,①大学でのASDの問題状況と支援体制の現状把握,②事例検討,③高大接続の現状と課題解明という3つの課題を設定し,①聞き取り調査,②検討会,③調査票調査をそれぞれ行った。その結果,支援体制の構築のためには,ASD学生と接する周囲の学生の参画が必要不可欠であること,大学の利用可能な資源の制約の把握が重要であること,ASD生徒の大学進学について,「問題の先送り」が常態化していることから高大接続の方法がポイントであることが導かれた。
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