研究課題/領域番号 |
25381147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知東邦大学 |
研究代表者 |
肥田 幸子 愛知東邦大学, 人間学部, 准教授 (90465592)
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研究分担者 |
堀 篤実 愛知東邦大学, 人間学部, 教授 (10320962)
鈴木 美樹江 金城学院大学, 人間科学部, 助教 (20536081)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発達障害特性 / 就業支援 |
研究概要 |
平成25年度の研究計画は1.査定研究 2.プログラム作成研究が主なものであった。査定研究においては、発達障害特性をもつ学生をスクリーニングするための質問項目作りを目的としていた。平成25年5月から平成26年3月までに計10回の研究会を催し、“見通し力尺度”の項目に関して検討を行った。平成26年2月には障害者就業支援事業所の担当者と「発達障害特性をもつ人たちが就業するために何が必要か」について話し合いを行った。研究会において討議された、先行研究、インタビューの結果から26の予備項目をプールすることができた。 プログラム作成研究においては、発達障害傾向をもつ学生、生徒の特性をより明らかにし、支援の実践につなぐための討議が行われた。実際のケースを抱える研究者たちは、日々の支援過程を報告し合い、そこから見えるものをまとめていった。研究成果として、ASD傾向生徒の特性の一部を担任教員がよりわかりやすい形で受け取ることができるように提案した。また、その成果を第35回国際学校心理学会(ポルトガル・ポルト)において発表した。 発達障害特性を持つ学生、生徒と学校不適応との関連についても検討を行った。学校不適応の心理的プロセスにおいて、発達障害特性をもつ学生・生徒たちはどのような特徴を示すかを知ることで予防的働きかけも可能である。この研究成果は平成26年度に予定している。平成25年度はそのベースとなる学校不適応のプロセスに関しての研究を日本臨床心理学会題32回大会(横浜)において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は質問項目作りが主な目的であった。項目については3人の研究者が多くの先行研究を精査し、また、教員や外部協力者の意見聴取から、基本の“見通し力尺度”にあたる26項目を抽出することができた。就業に関する項目は当初、既存のもの(若林,1983)を使用するつもりであったが、より、発達障害特性をもつ学生のための就業レディネス尺度を作成することとした。 発達障害学生、生徒に対する支援のプログラムに関しては、その特性の研究と支援方法の具体策案ができつつある。特性の研究に関しては国際学校心理学会に発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は質問調査を実際に行い、質問項目の信頼性・妥当性の検討を行う。就業に関する質問項目の作成に関しては民間の就業支援事業所等と連携がとれており、相互に情報交換を行いながら研究を行う予定である。 支援プログラムの作成に関しては、現在3事例が検討の対象となっており、どの点が汎化して活用することができるかを明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
データの収集と分析の作業が速やかに進んだ場合を考えてこの予算を計上していた。しかし、データの収集はH26年度に実施することになったため、データ打ち込み料が繰り越しになった。 H26年度はスクリーニングのための質問項目の仕上がりが重要な目的である。そのため、年度の早い時期に学生・生徒の調査を実施する予定である。そのときに使用するデータ打ち込みのための人件費、事務用品・紙等の消耗品費、分析のための資料代、加えて障害者就業支援事業所等との連携のための旅費、資料代等に使用する。 研究の中間発表が行える状態になった場合は掲載費、旅費等が必要である。
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