研究課題/領域番号 |
25381152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
服部 圭子 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30446009)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多言語・複言語教育 / 教員・ボランティア研修 / ことばの教育 / 多言語・多文化教材 / 国際理解教育 |
研究概要 |
本研究は,国際理解教育の基軸概念の一つである多文化・多言語主義教育の立場から,学校教育と地域ボランティア活動の現場を視野に入れた包括的な「ことばの教育」の実践を目指したカリキュラム構築と,それらを実践する教員やボランティア等を対象とした人材育成ための研修プログラムを開発・提案することを目的としている。過去の科研費研究および共同研究において開発した多言語・複言語主義を背景にした「ことばの教育」のための教材を用い、実践を通して研修プログラムを構築することを目指している。 本年は、海外の多言語・複言語主義に基づく教育および教員研修の調査を行うべく、EUのCEFRにも深くかかわったカナダ在住の研究者や実践者を訪ね、その理念や多文化社会における教員・コーディネータ研修の先行事例を学ぶとともに、現地の高校における移民支援担当者からも研修システムについての情報を得た。 また、国内での学会やシンポジウム、および研究会にも積極的に参加し、複言語・複文化主義とことばの教育についての知識を深めるとともに、今後の調査や実践に向けてのネットワークづくりを行った。 そして、地域における日本語ボランティアを対象に、ボランティア養成プログラムとの関連を検証するため、開発教材を利用し実践を通してフィードバックを得る活動も始めた。さらに、既存の教員研修プログラムに関する調査や、教員研修養成プログラムにおける意識調査などの関連調査を進めるべく、研究協力者らの助言や協力を得て、準備を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外における調査や研究会への参加により、基盤となる複言語・複文化教育の理念についての知識を深めることができた。またプログラム開発を念頭に、地域の現場でのボランティアを対象とした実践活動を開始している。しかし、教員研修プログラムに関する調査は、さらに進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
多文化・多言語化する社会における「ことばの教育」に関わる教材開発研究の成果を土台とし、開発教材を使用・実践する。具体的には、研究協力者らの協力も得て、さまざまな機会に開発教材を利用した研修を実施してフィードバックを得、それらをもとにプログラム案を作成する。 一方で、既存の教員研修やボランティア研修における「ことばの教育」に関する内容を調査し、多言語・複言語教育実践のためのプログラムに必要な要素について検討する予定だが、各方面での協力が必要である。また、「ことばの教育」や「ことばの力」に関する評価方法の開発については、さらなる検討が必要である。
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次年度の研究費の使用計画 |
注文した器具のモデルチェンジなどの関連で納品が遅れることになったため、やむなく翌年度に購入を延ばした。また、海外出張の時期が先方の都合の関連で3月になり、そこでのインタビューの書き起こしや資料整理のために計上していた謝礼を使用しなかったため、謝礼の利用が予定よりも少なくなった。 海外出張で得たデータ処理のために器具を購入し、またデータ書き起こしや資料整理のためのアルバイトへの謝礼を使用する予定である。
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