本研究の目的は、近年の個性化、多様化が進むわが国の教育改革の中で、高校の教育成果と求められる教師の資質能力を実証的に明らかにすることである。第1に、公立高校の普通科と専門学科、私立高校に焦点を合わせ、米国の高校教育の成果を検討したボーマン等が提示している、学力形成、キャリア開発、大学への進学、情報処理能力、中途退学、という5つの指標を参考にして、高校教育の成果を学科別、公立私立別に検討しようとした。第2に、こうした高校教育の成果を生み出すことに貢献する高校教師の指導力を明らかにした。各高校の差異化の顕著な状況を踏まえた指導力の内実を検討した。
|