本研究は,高等教育段階の学習成果を担保するための政策について,米国で起きている規制強化の動向を調査研究し,その実践とありうべき効果を明らかにすることを目的とした。この目的を達成するため、研究代表者と海外研究協力者は以下の3点にかかわる調査研究を遂行し、成果の発表ないし発表の準備を完了した。 (1) 米国における単位制度を通じた連邦による高等教育政策の強化:単位制度の法制化に伴いアクレディテーション制度を通じた連邦政府の影響力の強化に関して各機関アクレディテーション団体の動向を調査し、その結果を分析して成果を査読つき論文誌に投稿、掲載された。 (2) 米国における単位制度以外の学修成果の計測による学位授与:単位(課業時間)に基づかない、能力の直接評価に基づく学位授与プログラムに関して政策動向と実態の調査を行い、分析の結果を査読つき論文誌に投稿、掲載された。 (3) 大卒者の収入を鍵にした連邦による高等教育政策の強化:特に営利大学に関し、卒業者の奨学金返済率と機関の連邦奨学金受給資格の関連づけ(Gainful Employment)にかかわる政策問題について文献およびインタビュー調査から実態と課題を分析し、成果を英文論文にまとめた。論文は今後精査を経て研究代表者と海外研究協力者の共著論文として発表する予定である。
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