研究最終年度は、研究初年度と2年目に収集した文型について、「言葉の使い方・表現意図」と作文を書く際の「題材」を明らかにし一覧表を作成した。また、それぞれの文型がどのような「題材」で多く用いられ、どのような「言葉の使い方・表現意図」の実現のために用いられる傾向があるか考察し、これを踏まえた指導上の留意点や指導の段階案をまとめた。以上の内容は秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター紀要の第38号(平成28年3月発行)に掲載した。 研究期間全体を通じては、交付申請書に記載した目的である「各種の文型について小学生の作文資料から収集し、その使用実態を明らかにした上で、学年ごとに指導すべき文型とその指導方法を明らかにする」ことができた。指導方法の解明に当たっては、秋田大学教育文化学部附属小学校国語部の協力を得て、低学年の生活文指導の中で、文型を「言い回し」、具体的な文型をその表現意図や機能の名称をたとえば「もしも」「つよめる」などの学習用語として提示して、指導方法の検証を試みた。 研究初年度は、「説明型」「説得型」に用いる文型の収集と学年設定を行い、成果を東京学芸大学国語国文学会編『学芸国語国文学』第46号(平成26年3月)に掲載した。 研究2年目は、「語り型」に用いる文型の収集と学年設定を行い、成果を秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター紀要の第37号(平成27年3月発行)に掲載した。 検証授業の記録と分析・考察は、最終年度の研究成果報告冊子(平成28年3月80部発行)に掲載した。
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