本研究の目的は、学習科学の一つである「対話理論」にもとづいてワークショップ型授業の単元を開発し、さらに、個々の教師が、ワークショップ型社会科の授業を開発し運営する際の「指針と手立て」(「授業構成ストラテジー」)を明らかにすることである。研究の成果は2つある。第1の成果は、説得、交渉、探究、熟考という4つの対話を活動枠とするワークショップ型授業を開発し、各々の対話における学習者の思考の特質を明らかにできたことである。第2の成果は、「授業構成ストラテジー」を2つの視点から明らかにできたことである。その視点とは、活動空間と学習者の思考を関連づける精緻さと、「ふり返り」の表現の評価規準の違いである。
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