研究課題/領域番号 |
25381166
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
溜池 善裕 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (60260452)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 授業分析 / 具体的思考 / 個性的思考 / 子どもがする授業 / しみじみとする授業 / 重松鷹泰 |
研究実績の概要 |
知識・技能の総合的な活用を目指す授業モデルの原型は,既に1975年頃,名古屋大学の重松鷹泰が見出したことを明らかにし,その経緯や全体像を整理した(社会科教育研究,no.121,2014-3,日本社会科教育学会)た上で,研究協力者とともに単元構築と実施,および授業分析を行った。その結果,明らかになったのは以下の点である。 1)単元を「知識・技能」の活用を目標に設定するのではなく,それらを視野に入れながら,助け合い協力の著しい授業(子どもがする授業)が出来る子ども達を育てることを目標に,それを設定することが有効である。2)したがって,社会科の単元のつながりを考えながら,どのようにそれらを実施するかについて十分に考える必要がある。3)子ども達の指導においては,抽象的思考に安住しそこに完結するのではなく,具体的思考をすることで矛盾の中でも割り切らずに答えを見つけようと考え(個性的思考)続ける状態,つまり学習が息の長い追究に深化するよう留意しなければならない。4)この時,子ども達の獲得する知識は,現実的な具体と常につながりをもったものとなり,その際,技能は子ども達の追究において統合されるから,社会科の学習における追究過程において,知識・技能は自然と活用される様態となる。5)この場合の活用は,問題を解決するだけでなく,新しい問題を発見しそれを解決したり,その際,多様な価値を認めて相互に助け合い協力し合う,個人に閉じない集団における活用に道を開くものとなる。6)この場合の授業の具体的な形は,子ども達だけで行う授業,「子どもがする授業」となり,その到達点として「しみじみとする授業」が望まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマに迫る授業モデルの具体的形が明らかになり,それを実際に授業として実施し,検討した。
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今後の研究の推進方策 |
社会科が実施されない小学校低学年における生活科において,「知識・技能の活用」を視野に入れ,社会科への連続性等を検討する。
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