【平成27年度】小学校社会科における知識・技能の総合的な活用を目指す授業モデルの構築について,小学校1年生が,学習指導によってどのように学習を確立し,学習においてどのように知識・技能の総合的な活用を行うようになっていくかを明らかにした。具体的には,奈良女子大附属小の1年月組・星組を1年間観察・記録し,それを分析・考察した。
【研究実績の概要】公立小学校の協力を得て,小学校社会科における当該モデルの構築のための研究を行った。知識・技能の総合的な活用の学習指導は,自分以外の友達の知識・技能を含んだ学習全体の良さを見出し,助け合い・協力することの出来る子ども達を育てること,つまり道徳的実践性においてすぐれた子ども達を育てることを原則とした学習指導(学習交流)をとるべきことを明らかにし,その授業モデルを構築した。加えて,そのモデルを確かにするため,奈良女子大附属小学校(副校長;谷岡義高氏)の協力のもと,1年生2学級の学習指導の具体と,子ども達の成長過程を分析・考察した。まだ十分に価値付けされていない子ども達が,道徳的実践性にすぐれた子ども達に育って行く学習指導の原則は,①観念的思考の具体的思考・構造的思考への深化,②友達の学習の方法や見方を自ら学習することの位置づけ,③「書く」ことによる学習の相対化,④集団的思考が最も発揮されるような授業の位置付け,である。これら4点は上記モデルの妥当性を裏付け,同時にまたそれを補強するものである。
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