研究課題/領域番号 |
25381170
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
樋口 咲子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00431734)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 硬筆書写教材 |
研究概要 |
本研究の目的は、小・中学校国語科書写教育において、楷書で効率よく文字や文字群を整えて書ける硬筆の運筆方法を研究するとともに、学年段階に応じた硬筆の教材開発や授業開発を行うことである。 本年度は、中学校国語科書写の硬筆教材を作成した。中学生の日常書字活動を観察し、書写力を高めるための基本となる教材を考案した。それらの教材は2種類の運筆で書き分けをした。一つは、始筆にもしっかり筆圧をかける書き方で、鉛筆やフェルトペンで大きめの文字で字形を意識して書く教材である。もう一つは始筆にあまり筆圧をかけず楽に速く書ける書き方で、シャープペンシルでノートやレポートの文字群を配列良く書く教材である。 また、学年段階に応じた硬筆の教材開発や授業開発に関連して、小学校教員養成課程における板書の授業研究を行った。研究の特長として、運筆法に注目した点と、書写要素別に定着度を示した点とがあげられる。その成果は、第54回全日本書写書道教育研究会で発表し、「小学校教員養成課程における板書の授業研究」としてまとめた。 さらに、第28回全国大学書写書道教育学会シンポジウム「これからの書写書道教育をめざすためにII」のシンポジストとして、書写書道教育の指導内容の研究テーマについての提言を行った。それらは、当日の討議もふまえて、「書写書道教育の指導内容に関する研究課題」としてまとめた。そこでは、硬筆書写の教材開発に関する研究の方向性についても述べた。「用具・用材とその扱い方」では、筆圧のかけ方など書字動作の重要性を指摘した。「字形」では、毛筆主教材で書字上の原理・原則を学び硬筆で他字に応用する今日の書写教育の方法に加え、「基本文字」を策定して習熟する方法もあわせて、字形指導の体系を確立すべきことを述べた。これによって、漢字指導とより関連した書写指導を目指す研究の方向性を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、小・中学校国語科書写教育において、楷書で効率よく文字や文字群を整えて書ける硬筆の運筆方法を研究するとともに、学年段階に応じた硬筆の教材開発や授業開発を行うことである。 本年度は、中学校国語科書写と高等学校芸術科書道の接続も見据えながら、中学校国語科書写の硬筆教材を作成した。今後2年間で小学校の教材について考えていくが、本年度すでに小学校4年生の書字実態の観察が終了しており、小学校入門期の動画教材の試作も済ませている。このままのペースで進めば目的を達成できると思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究で計画している全体の内容は、①小学校硬筆書写教材開発、②小学校硬筆書写動画教材作成、③小学校硬筆書写授業開発、、④中学校硬筆書写教材開発、⑤中学校硬筆書写動画教材作成、⑥中学校硬筆書写授業開発、である。このうち、④がすでに終了した。つづいて、①の小学校硬筆書写教材開発に取り組みたい。
|