本研究は日本の中学校社会科歴史的分野における世界史内容が持つ問題点を歴史的に解明することを目的とする。その結果、日本史として始まった中学校社会科の歴史教育は、歴史的分野の成立時に日本史と世界史を分けない歴史教育を目指して取り組まれ、当時の教師たちを中心としてあらゆる検討が進められたこと、しかし、1970年代以後に次第に歴史的分野は事実上において日本史を内容とするようになってしまって現在に至ること、その最大の要因は世界史内容が歴史の中で背景と位置づけられたことにあったこと、などを具体的に示した。そして、歴史教育とは何か、世界史の無い歴史教育とは何かという問題を提起した。
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