研究課題
実践的指導力の育成を重視した数学科教員養成に関する内容・方法を検討した。1.実践的指導力の明確化: 「数学科教員としての実践的指導力」を,「①学習の過程の理解、②数学の理解、③数学カリキュラムと単元の構想、④数学の授業展開と指導、⑤学習評価」の5つの柱で捉えることを示した。その中でも特に③と④は、数学授業の構想,実践に関するものであり,③は単元,④は毎時というレベルからなっている。これらの設定に際しては、イギリスでの教員養成の柱であげられている「一般教育学、教師としての心構え、教科教育、専門教科」や、フィンランドでの教員養成での「研究者としての教師」という視点も加味した。2.実践的指導力の育成における「数学的活動」の重視: 本研究では、上記1. で規定した実践的指導力を育成するには、小中高校、そして大学においても「数学的活動」を重視することが重要であるという立場に立っている。そのことを、数学教育学者と数学者との協働によって、大学での代数学の授業研究や学習内容の吟味を行って具体的に検討し、教員養成段階での探究的な学習経験が、学生の授業観・指導観を適切なものにするという示唆を得た。3.授業研究・共同研究を通した具体的方策の吟味: 大学教員、現職教員、院生・学生らが参会して中学校および教育学部における授業研究を行い、数学的活動を促す問題とその提示、問題追究の様相等について検討し、そこでの数学的活動の実際を検討した。また、イギリスのKeith Jones博士, Taro Fujita博士らとの共同研究を進め、大学での授業公開をお互いに行って、両国の差異を明らかにした。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
静岡大学教育学部附属教育実践総合センター紀要
巻: No.24 ページ: 25, 32
10.14945/00008914
数学教育学会誌
巻: Vol.33,No.3-4 ページ: 99, 107
全国数学教育学会誌 数学教育学研究
巻: 第21巻第1号 ページ: 63, 73
巻: No.24 ページ: 169, 176