本研究は,問題解決的な授業で,解決者がどのように数学的表現を構成・修正・洗練するかについて検討することを目的としている。 結果として,第1に,国内外の文献レビューより,我が国の定型的表現の早期導入の傾向と,表現の抽象化の2つの機能から導出される2つの表現指導の在り方を指摘した。第2に,小学校の計算指導に着目し,児童のインフォーマルな操作的表現が集団的な振り返り活動を通して数量関係を反映する表現に移行するプロセスとその指導上の困難点を指摘した。第3に,数学的説明に関わる授業を分析し,説明的表現を書き,振り返りの中でそれらを修正・洗練していく指導において有望と目される3つの活動を指摘した。
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