研究課題/領域番号 |
25381185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
礒部 洋司 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70151446)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 美術教育史 / 図画 / 手工 |
研究概要 |
本研究は、期間内に出来る限り多くの図画・手工科等、美術教育に関する歴史的資料を収集し、このデータをこれまでに作成したデータベースに追加登載して、美術教育史関係資料目録の拡充・完成を図ることと、主要文献資料のPDFファイル化を進めることを目的としている。研究初年度である平成25年度は、新たな文献資料の収集(地方教育会雑誌掲載記事・論文、教材・書籍広告等の複写・収集等)と、主要資料のPDFファイル作成を重点的に行った。 新たな資料の収集については、千葉県立図書館、新潟県立中央図書館、岩手県立図書館、奈良県立図書情報館、筑波大学附属中央図書館及び、横浜開港記念館等を訪れて千葉県、新潟県、岩手県、奈良県、神奈川県その他の県(地方)教育会誌を閲覧し、図画・手工関係資料の複写作業を行った。それまでの積み重ねもあったが、結果、神奈川県、千葉県、新潟県の教育会誌の調査を終了することができた。岩手県教育会誌の調査は、あと少しを残すのみとなっている。 主要文献資料のPDFファイル化作業は、新収集資料及び、前年度までに取集した未収録資料が対象となった。収集した各県教育会雑誌等所載の図画・手工関連記事・論文・教材広告等複写物のうち、複写紙面上にデータ記入(資料の初頁右肩に誌名・巻号・発行所・発行年月日を書き込み、複写物に記されている著者名、タイトル、ページとあわせて必要データがすべて一目で見て取れるようにしている)が済んだものは業者に委託し、PDFファイルとした。これについては、年度内に5000ページ分ほどができあがっている。 収集した新資料のデータベースへの追加登載はほとんど手を付けられなかったのが残念ではあるが、既存の登載データのチェックは折を見て行っており、データベース全体の精度を高める努力は続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進度としては跛行的な面があることを否定できないものの、初年度としては、おおむね順調に進んだと考えている。すなわち本研究の最大目的である美術教育史関連資料目録(データベース)の拡充・完成のための4つの方法、①新規資料の収集、②新規資料のデータベース登載、③既存データベースの点検、確認(以上、データベース関連)、④主要資料のPDFファイル作成、であるが、このうち、①の新規資料の収集は研究は諸事情により、当初考えていたものとは対象地域が異なったものの、前述のように千葉県、新潟県、神奈川県の各県教育会雑誌の調査・収集を完結することができたし、④の主要文献のPDFファイル作成も業者委託によるものが主ではあるが、複写資料紙面へのデータ書入れのできているものについては、ほぼ終えることができたことが評価に値すると思うからである。 あまり進めることのできなかった②の新規資料のデータベースへの登載は、次年度の収集分も合わせて学生の補助も活用しつつ、今後、集中的に行って行くつもりである。 ③の既存データベースの点検、確認作業についても平成26年度の研究で補っていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目以降も、新規資料収集と、取集資料の入力、データベース自体の点検・確認作業、主要資料のPDFファイル作成作業を変わらず行っていく。 新たな資料の収集に関しては、これまで通り岩手県立図書館(盛岡市)や奈良県立図書情報館(奈良市)及び、広島県立図書館(広島市)など、現地に出向いての教育会雑誌等の博捜、関連部分の複写による資料収集が主となるが、『図画教育』や『図画と手工』など、目次集が手に入っている美術教育専門雑誌等については、愛知教育大学附属図書館参考係を通じての複写資料取り寄せも行っていきたい。 こうした新規資料の収集にあわせて、データベース(美術教育史関連資料目録)への新規登載作業と、既存データの点検・確認作業及び、主要文献資料に関するPDFファイル作成作業を行っていく。これらについては自身によるものももちろんであるが、学生の補助と業者委託も活用することとしたい。 以上のような作業を進める中で、図画・手工科に関する目的論・価値論、教科内容と当該教科に対する無理解や中傷、非難論、軽視論、無用論をピックアップし、これらを総合的に考察することで、美術教育の本質的な存立論に迫りたいと考えている。
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