1.比較鑑賞のための図版資料として活用可能な大判複製画の収集は順調に進んだ。また図版データの収集と作品調査も順調で、それらを組み合わせて、生かす方法も決定した。 2.大判複製画を使った比較鑑賞題材を4種開発し、そのうちカラヴァッジョ、ルーベンス、ラ・トゥールで授業実践を行い、一応の成果を上げることができた。 3.教育学部の必修専門科目である『美術鑑賞』において、応挙と若沖、北斎の「大 波」、リクテンスタインなどの作品を題材に、様々な比較鑑賞を試みた。また一般教育科目である『美術鑑賞入門』において、レオナルドの《最後の晩餐》、ゴッホとラーション、浮世絵美人画、ロックウェル、アニメ背景美術などの作品を題材に、様々な比較鑑賞を試みた。 4.中学校向けに改定した授業モデルを3種用意し、3人の現場の先生方に依頼して、それぞれ中1、中2、中3で授業実践を行った。合わせて書く授業の撮影をし、DVDに記録した。 5.本研究に関するまとめとして論文『中学校美術科の鑑賞教育における比較鑑賞題材の可能性』を執筆し、岡山大学大学院教育学研究科の研究集録第162号に投稿した。
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