研究課題/領域番号 |
25381209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
宇都宮 明子 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (40611546)
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研究分担者 |
原田 信之 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (20345771)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歴史スタンダード / 学会版事実教授スタンダード / 初等段階と中等段階の接続 / 歴史意識 / 歴史教育 |
研究概要 |
平成25年度の研究は、主としてドイツの歴史教育カリキュラムの理論的背景である学力政策を考察し、学力観を解明することを目的とした。そこで、事実教授や歴史科における学力観を考察する研究を実施した。実施した内容は以下の3点である。 第1は、ドイツの事実教授および歴史科の教授学者へのインタビュー調査である。7月3日にゲッティンゲン大学教授 Michael Sauer氏、7月4日にハンブルク大学教授 Kerstein Michalik氏に対し、事実教授及び歴史科の歴史的内容や学力観に関するインタビューを実施した。 第2は、学会発表である。研究代表者は、11月9日に全国社会科教育学会において「初等段階と中等段階の接続の観点に基づく歴史教育の考察-ドイツ歴史教育をてがかりに-」というタイトルで、事実教授と歴史科に共通する学力観の解明をめざす発表を実施した。 第3は、論文発表である。研究分担者が今年度の成果を生かし、名古屋市立大学大学院人間文化研究科『人間文化研究』20号(2014年)において、「ドイツの統合教科「事実教授」の新スタンダード-初等教育段階の歴史学習に着目して-」という論文を発表した。 本年度は、インタビュー調査により、ドイツの事実教授及び歴史科の学力観を明らかにし、その学力観に基づいた指導要領や教科書の分析に基づいた成果を学会や研究紀要において発表した。これらの成果は本年度の研究の目的に合致するものであり、来年度以降の研究の基盤に位置づいている。本年度は、来年度以降の研究の円滑な実施を可能にする成果を上げることができたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「おおむね順調に進展している。」と評価した理由は、研究実績の概要で示した通り、研究計画で設定していたドイツ歴史教育における学力観を解明するという本年度の目的を達成できたからである。インタビュー調査をもとに、学会発表や論文発表まで実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果を受け、今後の研究も研究計画通りに進めることが可能となっている。本年度の学力観の分析研究を基に、26年度は日本とドイツの指導要領や教科書の分析を実施、日本の歴史教育の分析からは能力枠、ドイツの歴史教育の分析からは能力枠と到達水準を抽出し、到達度評価を解明することで、歴史教育スタンダード・カリキュラム開発の基盤研究を実施する予定である。
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