図形指導において育成すべき能力を,視覚的能力と言語的能力に分類し,それぞれの能力を5つの様相に細分化することで,「図形認識能力」を設定した。そして,設定した図形認識能力に基づいて,学校数学の図形指導課程を分析し,図形認識に関わる問題点を探究した。 図形認識能力の設定,および図形指導課程の検討の結果を受けて,図形認識能力を育てるための「図形指導モデル」を開発した。図形指導モデルは,視覚的能力と言語的能力を相互に関連させて高めるために,図形概念の言語的側面である用語や定義,性質の理解を促すとともに,適正なイメージ形成も促進することになるため,現在の図形指導を改善する原資となることが期待できる。
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