研究最終年度にあたる平成27年度は、前年度までに収集された授業記録の分析・考察を行い、日本への適用の可能性を探ることに主眼をおいた。
(1)他分野の芸術活動を加えて総合的な視点から音楽学習を行うことは子どもたちの感性をひらき、スイス・フランス語圏の学校音楽教育ではこのアプローチ方法を推進していることがわかった。また、調査校のひとつであるジュネーヴ州のマイユ小学校「特別な支援を要するクラス」における授業実践から、感性をひらく音楽授業のあり方についてその特徴を明らかにした。この成果については、香港教育大学で開催された10th Asia-Pacific Symposium on Music Education Researchにおいて発表し、『鹿児島大学教育学部紀要教育科学編』第67巻に掲載された。
(2)スイスの授業実践から、感性をひらくアプローチ方法について日本における適用への示唆を得られた。この研究成果の一部については『関西楽理研究』Vol.32に掲載された。
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