研究実績の概要 |
平成27年度においては、「日本人EFL学習者のリスニングとスピーキングに関する信条の研究」を実施した。研究への同意が得られた非英語専攻で海外での教育経験がない公立大学1年生279名を対象に予備調査に基づいて開発したリッカート尺度の質問紙調査を実施した。回答者のうち、TOEICスコアが無い者、回答漏れがあった者44名を除いた235名を分析対象とした。質問紙への回答(5:当てはまる、4:だいたい当てはまる、3:どちらとも言えない、2: あまり当てはまらない、1:当てはまらない)はそのまま得点化され、スピーキングとリスニングに関連するそれぞれの質問項目ごとに因子分析が行われた。スピーキングに関しては、第Ⅰ因子(英会話に対する積極性)、第Ⅱ因子(英会話に対する緊張感)、第Ⅲ因子(英会話に関する通説)、第Ⅳ因子(英会話力特別視)が抽出された。更に抽出された各因子の標準因子得点に基づいて、TOEIC総合得点に基づく熟達度レベルとの関係から分散分析を行った結果、第Ⅱ因子(英会話に対する緊張感)に関して上位群<下位群の有意な関係(F(1, 233)= 5.85, p =.02, η2 = .02)が示された。また、リスニングに関しては、第Ⅰ因子(動機づけ)、第Ⅱ因子(学習ストラテジー)、第Ⅲ因子(母語話者からのインプット重視)、第Ⅳ因子(リスニングに対する自信)が抽出された。更に抽出された各因子の標準因子得点に基づいて、TOEIC総合得点に基づく熟達度レベルとの関係から分散分析を行った結果、第Ⅳ因子(リスニングに対する自信)に関して上位群>下位群の有意関係(F(1, 233)= 15.00, p =.00, η2 = .06)が示された。
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