研究実績の概要 |
最終年度においては日本人EFL学習者のライティングに関する信条と英語熟達度の関係をを質問紙に対する回答(5段階尺度形式)に基づいて因子分析と一元配置分散を用いて分析した。第Ⅰ因子(ライティング時の留意点)、第Ⅱ因子(動機づけ)、第Ⅲ因子(英訳意識)、第Ⅳ因子(ライティング学習方法)、第Ⅴ因子(英語技能難易度)が抽出された。更に抽出された各因子の標準因子得点に基づいて、TOEIC総合得点に基づく熟達度レベルとの関係から分散分析を行った結果、第Ⅱ因子(動機づけ)に関して上位群>下位群の有意な関係(F(1, 255)= 18.31, p =.00, η2 = .07)が示された。次に、各質問項目に対する回答における上位群と下位群の差を分散分析を用いて分析した結果、項目20「私は英語圏の人々・文化に関心があるので英語を書けるようになりたい。(上位群>下位群)」(F(1, 255)= 14.08, p =.00, η2 = .05)、において有意差が示された。この結果は、第Ⅱ因子(動機づけ)の標準因子得点に基づく分散分析において上位群と下位群の間に見られた有意差を裏付けている。 動機づけ因子は日本人EFL学習者の英語力全般に関する信条を扱った飯島(2014)、日本人EFL学習者のリーディングに関する信条を扱った飯島(2015)、日本人EFL学習者のスピーキングとリスニングに関する信条を扱った飯島(2016)の全てにおいて抽出されている。特に、英語力全般に関する信条を扱った飯島(2014)では動機づけ因子において今回と同様に、上位群>下位群の有意な関係が示されており、EFL学習において動機づけがいかに重要であるかを示唆している。
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