研究課題/領域番号 |
25381223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 美作大学 |
研究代表者 |
三宅 元子 美作大学, 生活科学部, 准教授 (20583909)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 消費者教育 / 家庭科 / アサーション |
研究概要 |
学校教育における消費者教育の取り組み状況について文献を調査した。小・中・高等学校の家庭科の教科書を分析した結果、消費者教育に関するページ数は少なく、特に小学校では、「物やお金の使い方」と「買い物のしかた」のみの記述で、4ページとわずかであった。中学校の教科書では、商品の選択方法として表示やマーク、トラブルの解決として法的側面の記述が加えられ、高等学校では家計のマネジメント、消費行動と意思決定など、消費者の自立を目指した内容の記述へと変容している。教科書分析を通して、中学校までは「買い物」といった消費活動の学習内容が中心であったが、高等学校では「意思決定」という心理的側面にも重点が置かれていることがわかった。 そこで、本研究の目的である「消費者リテラシー学習プログラムの開発」の一環として、高等学校家庭科における消費者教育へ「アサーション」を導入することを検討した。平成25年度は、この授業の検討資料を得るために試みた「契約上の問題(悪質商法)と解決方法」の指導において、先輩からの勧誘に対する応答文を考え、ロールプレイングするという授業実践の結果を報告した.その結果、「アサーション」を導入した学習は、アサーティブ群の生徒の自己表現に変容がみられ、効果が得られた。このように、表現力を高める授業方法を取り入れることで意思決定力が高まる可能性が示唆されたことから、引き続きアサーションを取り入れた授業研究について検討し、消費者リテラシー学習プログラムを開発していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校5・6年家庭科の教科書(2冊)、中学校技術・家庭科教科書(2冊)と副教材、高等学校「家庭総合」教科書(8冊)と副教材を用いて、消費者教育を取り上げているページ数、内容やキーワードを分析し、特徴や系統性を分析した。 また、「消費者リテラシー学習プログラムの開発」の一環として、高等学校家庭科における消費者教育へ「アサーション」を導入することを検討した。 以上のことから、「研究の目的」の達成度については、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、小・中・高等学校の家庭科における消費者教育の学習指導案の収集、小・中・高等学校の家庭科における「契約」を題材とした「消費者リテラシー」を育てる学習プログラムの開発を行う予定である。 そのためには、高等学校までの消費者教育で学習した内容を確認する必要がある。そこで、すでに消費者教育を受けた大学生を対象に、消費者教育で得た知識について調査するとともに、高等学校家庭科の消費者教育に関する指導の実態についても、家庭科教員を対象とした調査を加える予定である
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に発表を予定している学会の開催地域が、北海道、東京、愛媛県などの多方面にわたるため、当初計画していた予算ではまかなえないことから、本年度の予算を次年度に繰り越すこととした。 次年度は、当初の実施計画に加えてアンケート調査も実施するため、郵券代の追加分、学会発表のための旅費の追加分として使用する。さらに、国際家政学会(IFHE)への発表のための申し込み料、英文翻訳料として使用する。
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