研究課題/領域番号 |
25381227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 比治山大学 |
研究代表者 |
井口 あずさ 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (90511600)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 意見文 / 説明文 / 方略 / メタ認知 / 論理的な文章 / 指導過程 |
研究概要 |
初年度は、(1)文献調査、(2)小学校高学年、中学校1年の論理的な文章表現指導で必要な学習活動の把握、(3)重要な学習活動の抽出、(4)指導プログラムの仮設と検証を主な目的とした。(1)用語の定義等は、文献調査をふまえ、平成20年1月の中央教育審議会答申の「改善の具体的事項」、現行の学習指導要領の要請に沿い、かつ系統性に配慮し上学年での指導に対応できるようにした。つまり、対象とする文種を、解説文、記録文、報告文、紹介文等に、意見文を加えた。また、それらの作成過程で求められる下位の説明する力を指摘した。さらに、自分の考えを明確にする学習活動、特に、特定の立場や視点に立つ情報収集と整理の活動、社会的な課題解決の過程等をそれぞれ重視した。(2)現行の小学校高学年・中学校1年の教科書教材の「書くこと」の単元を観察したところ、記述前段階で自分の考えを明確にする複数の学習活動は、相互に調整し合う関係として、また、社会的な課題解決の過程として整理できることがわかった。(3)小学校高学年と中学校1年を対象に、説明する文章を作成する際に大切だと思う学習活動を質問紙で調査し、量的に分析したところ、学習指導要領の内容を達成するための下位学習活動と考えられる項目が抽出された。その中には、立場や視点の設定にかかわる活動が含まれていた。さらに、それらの活動を指導過程に位置づけた指導プログラムを仮説した。次年度は、初年度に続き(4)の検証に取り組んでいる段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校高学年と中学校1年生の教科書教材の検討、学習者を対象とした調査、指導プログラムに関わる作業など、研究計画に沿って概ね順調に進んでいる。学習者を対象とした調査では、現行の学習指導要領の、小学校高学年と中学校1年生の「書くこと」の指導事項をもとにした学習指導要領質問紙も作成し、それを用いて調査結果の教育的妥当性を量的に検討することができた。また、地域の教員と研究に関する意見交流をしたり、研究成果の一部を発表したりする機会を設けて、研究成果を実践的な視点で検討した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、継続して指導プログラムの検証に取り組み、さらに、多様な学習者や教材に対応した実践プログラムの開発に進む予定である。指導プログラムの検証では、作成した文章の質だけでなく、ものの見方や情意面についても検討する予定である。並行して、実践プログラムの開発、実践に向けて、先行する実践や理論の精査を行うとともに、関係する地域の取り組みについて情報収集し、地域の特性を生かした教材開発も進める計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
謝金が安価で済んだため。 次年次の謝金に使用する予定である。
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