研究課題/領域番号 |
25381230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
尾藤 弥生 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20322860)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 音楽科教育 / 創作教育 / 探究学習 / 音楽づくり / 思考力・判断力・表現力 / 実践学 / 問題解決学習 |
研究概要 |
平成25年度は、小学校音楽科の創作活動における思考力・判断力・表現力を育成するための「音楽づくり教材」開発の視点を得ることを目指した。 まず、文献などにより、思考力・判断力・表現力の定義を明らかにした。次に、文部科学省及び学習指導要領での、思考力・判断力・表現力の育成に関する考え方を明らかにした。そして、小学校学習指導要領音楽のA表現(3)「音楽づくり」の本文及び解説文と思考力・判断力・表現力の育成の関係を明らかにした。さらに、問題解決学習やデューイの探究理論を手がかりに、思考力・判断力・表現力育成の概念を明らかにした。 その結果、文部科学省及び学習指導要領、小学校学習指導要領音楽のA表現(3)「音楽づくり」の本文及び解説文すべてが、思考力・判断力・表現力の育成を求めていることが明らかになった。 そこで、これらを手がかりに、「音楽づくり」教材開発の視点を得た。それは、学習者が分析、総合の学習活動を繰り返すことのできる教材、さらに、教材から多様な推理や思考、判断ができる教材が望ましいことが明らかになった。具体的には、①不確定な状況で、ある程度の困難を伴う教材が望ましい。②学習者が自分なりに課題に対して問題設定できる教材が望ましい。③学習者が、教材からどのように組み合わせ、構成すれば、どのような作品になるだろうと、ある程度予想できる教材であることが望ましい。④学習者が検証可能な教材が望ましい。⑤飛躍という観点から、イマジネーションや想像力が働かせやすい教材が望ましい。⑥分析、総合という観点から、一つの教材において、これらを繰り返し行えるような教材が望ましい。⑦観察の観点から、教材の事実、作った作品を理解しやすいものが望ましい。⑧検証の観点から、確定した状況に仕上げられる教材が望ましい、などである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の申請目的は、小学校音楽科の授業で、思考力・判断力・表現力の育成を目指す「音楽づくり教材」を開発することである。特に、表現・創作領域「音楽づくり」に焦点を当て段階的に思考力・判断力・表現力を育成できる、実践教材の開発と検証を目指している。 1年目は、文献などにより、思考力・判断力・表現力の定義を明らかにし、次に、文部科学省及び学習指導要領での、思考力・判断力・表現力の育成に関する考え方を明らかにし、小学校学習指導要領音楽のA表現(3)「音楽づくり」の本文及び解説文と思考力・判断力・表現力の育成の関係を明らかにすることを計画していた。 さらに、問題解決学習やデューイの探究理論を手がかりに、思考力・判断力・表現力育成の概念を明らかにすることを計画していた。これらは、おおむね計画通りに実施でき、教材開発の視点を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、仮説に基づき小学校音楽科の「音楽づくり」の開発教材を試実践し、結果の分析から問題点を導き出し再検討する。そして、低学年・中学年・高学年と段階的に積み重ねる教材案を構築する。 具体的には、①研究協力者とカリキュラムに関する打ち合わせ、②ひとつの「音楽づくり」教材案の仮説実践、③実施結果のデータ(授業記録、ワークシート、創作作品)の整理、分析、④分析結果のまとめ、⑤改善案の検討、⑥思考・判断・表現力を実現できる「音楽づくり」教材の小学校、低学年、中学年、高学年の発達段階に沿ったカリキュラムの構築、⑦国内外の学会での中間発表、⑧中間発表論文の作成、⑨最終年度に向けての、研究協力者とカリキュラムに関する打ち合わせ、分析結果に基づく改善教材案と指導法の検討、である。 3年目は、改善案を実践し検証を行う。後半には、現場で活用できることを踏まえて、実践指導集及び事例集としての「ガイドブック」の掲載内容を検討して作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品、人件費、謝金などが、節約できたため。 平成26年度の物品購入(録画機)などに充当する。
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