平成27年度は、25年度理論的研究、26年度の「音楽づくり」開発教材の試実践の成果を踏まえて、現場での実践に当たっての評価(評価規準及び評価基準)に焦点を当てて研究を行った。 平成26年度の実践の結果、開発した「音楽づくり教材」が、学習において、① 学習者が課題設定できる、② 学習者が作品の仕上がりを予測できる、③ イメージや想像力をはたらかせやすい教材である、④ 学習者が分析、総合の学習活動を繰り返すことのできる教材である、⑤ 教材から多様な推理や思考、判断ができる教材である、⑥ 鑑賞者が作品を理解しやすい教材である、などが明らかになった。 そこで、これらを踏まえて、現場での実践に当たり、どのように評価すれば実践しやすいかを検討することとした。具体的には、他教科との関連性も勘案した評価規準・評価基準であることが、小学校の教育では理解しやすく受け入れやすいと考え、それらを考慮した評価規準・評価基準を立案して、試実践において活用した。その結果、評価規準・評価基準を明確にすることで、指導者が規準・基準を意識しつつ指導できること、それにより児童の思考・判断の学習が深まることが明らかになった。このような評価規準・評価基準を設定することで、音楽の指導を苦手とする教員や指導初心者でも明確で具体的な支援ができることが明らかになった。 最終的には、3年間の研究成果を報告書としてまとめた。報告書、第一部は、思考・判断・表現力を育成する理論研究と教材開発の内容、第二部は、教材開発の指導計画及び資料とした。ここで、評価規準・評価基準を明確に提示した。
|