研究課題/領域番号 |
25381234
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
村越 純子 埼玉大学, 教育学部, 非常勤講師 (80456003)
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研究分担者 |
田代 美江子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40297049)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 道徳教育 / 価値教育 / 宗教教育 / スペイン / シティズンシップ教育 |
研究実績の概要 |
2013年度に行ったスペインにおける現地調査によって把握できたことのなかで、とくに初等教育課程における宗教科目の授業の実態とその特徴については、日本道徳教育学会第83回大会において報告した。 2015年2月末から3月にかけてスペイン科学研究高等会議(CSIC)研究所の客員研究員の立場を得て行った現地調査では、2013年に成立したスペインの教育基本法(通称LOMCE法)成立後の義務教育段階における価値教育の実態を把握するために以下の4校 、C.E.I.P.Francisco Pizarro(公立小学校)、I.E.S.AGORA(公立中等教育学校)、Colegio Diocesano Jose Luis Cotallo de Caceres(カセレス司教区学校、政府の助成金を受ける私立学校)、Colegio LOURDES(マドリードの政府の助成金を受ける私立学校)を訪問した。そこで、宗教科目やシティズンシップ教育科目の授業観察や担当教員へのインタビューなどを行った。 現地研究者、Prof. Antonio Bolivar(グラナダ学)、Prof. David Reyero Garcia(マドリード・コンプルテンセ大学)、Prof.Manuel Lazaro Pulido(グアダルーペ宗教学高等研究所)、他との対談により、自治州ごとに直面する教育制度上の課題にちがいがあることを把握した。そしてスペインにおける学校・家庭・地域の連携の構造やその特徴を理解するためには、日本とは異なる機能をもつ「学校運営協議会」や「ソーシャルワーカー」についてより詳しく把握することが必要であることがわかった。 また義務教育段階の宗教科目の教科書出版社のうち代表的とされる、edebe、everest、SM、Santillanaの4つの出版社の宗教教科書を収集できたことにより、立場のちがいによって内容が異なるとされる教科書の分析をするための準備ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、スペインにおける現地調査により、学校訪問、宗教教科およびシティズンシップ教育教科の授業観察、担当教員へのインタビュー、義務教育段階における宗教教科の代表的4出版社の教科書を収集できた。
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今後の研究の推進方策 |
スペイン国内で収集した教科書や資料(デジタルビデオデータおよび録音データを含む)の翻訳および分析、それらに基づく調査結果についての学会報告を行う。分析結果を現地の研究会で報告するとともに、研究成果を報告書としてまとめる。
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備考 |
グアダルーペ宗教学高等研究所講義科目において日本の教育制度における価値教育について報告し、出席した研究者や大学院生、小・中学校教員などと有意義な質疑や討論ができたことが掲載されている。また、アゴラ中等教育学校の校報誌"Revista del I.E.S AGORA"No27(ISSN18865518,2014年6月発行,28頁)では、この研究の目的やこれまでの学校訪問の詳細が紹介されている。
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