「公教育における宗教的中立性」の原則を実現するために、スペインの教育制度は、「学校の宗教教育」の拒絶ではなく許可という道を選択した。本研究では、まず「学校の宗教教育」の特徴を概念的に把握した。スペインの学校制度には「公立学校」、「政府の助成金を受ける私立学校」、「私立学校」の3種類がある。つぎに、「学校の宗教教育」の実態把握を目的として、これらの学校を実際に訪問し、義務教育課程における価値教育関連科目である「宗教」と「シティズンシップ教育」の授業を観察し、担当教員へ聞き取り調査を実施した。そして「宗教」と「シティズンシップ教育」の比較をとおして、「宗教」教科の具体的教育内容を把握した。
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