今年度も昨年度に引き続き、フィールドワーク体験学習の原理的研究と奈良女子大学附属小学校のしごと学習(「生活科」及び「総合的な学習の時間」に相当)の記録を元にした実践分析を行った。今年度は、さらにフィールド先として、長野県・伊那市立伊那小学校を加えた。これらを踏まえて、生活科・総合的な学習の時間におけるフィールドワーク体験学習の充実に資する知見を得ることをめざした。 これらの研究実績を、今年度は担当している専門科目「総合学習の原理と方法」の教材とし、学生に還元して、学生と共にフィールドワーク体験学習の意義についての探究を行った。具体的には、学生を伴って、東京都北区の紙の博物館・飛鳥山博物館に出かけ、紙すきで作成した紙をもとに作品をつくるなど、紙をテーマにした総合的な学習のカリキュラム開発に活用できそうな知見や体験を重ね、将来の教師のこの領域の指導力の育成・向上を図ることをめざした。また、同じくこの授業では、学生の調べ学習や体験学習の成果をまとめて、プレゼンテーションを行い、その内容や意義についての探究を行うような議論をすることができた。 今年度は、上記のような教師の指導力、カリキュラム開発力の力量形成に焦点化して研究活動を行うこととした。この研究成果を、現在論文として執筆しているが、あるものやあるテーマに関わって調べたり考えたりする活動は学生にとっても好評で、意欲的に活動に取り組む姿がみられたことは特筆すべきことと考える。
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