研究課題/領域番号 |
25381236
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
内田 裕子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40305024)
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研究分担者 |
大岩 幸太郎 大分大学, 教育福祉科学部, 名誉教授 (90223726)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 色彩学習 / 自由 / 教員養成 / 配色 / 補色 / iOSアプリ |
研究実績の概要 |
平成27年度は「『色彩学習プログラム』の設計・構築」の研究に,以下の通り取り組んだ。 先ず,「色彩学習プログラム」における「配色の学習」のためのソフトの開発のため,配色をテーマにした作品展のカタログや図録の他,既存の色彩学習アプリやアートゲーム,更には,色彩体験を含むワークショップ等を対象に調査を行った。その結果に基づき,12色相環の補色・3色配色等の学習用のiOSアプリを開発した。また,学習の対象者をこれ迄計画していた教員養成課程の学生に限らず,児童・生徒にまで広げたことから,新たに児童・生徒が色彩学習プログラムに取り組み易くする要素の検討のための学習方法や学習過程の研究を行い,これらに基づくプログラムのユーザーインターフェイス設計及びiOSアプリソフトの複数のタイプの試作を行った。 各側面からの色彩学習を実現するためのiOSアプリソフトの開発では,例えば「混色回転盤」をヒントにした補色の学習プログラムにおける画像の高速回転のため,iOSアプリで利用できる「Sprite Kit」と呼ばれるフレームワークを使用する等のテクニックの検討と併せ,動作のための構造の検討を繰り返し行い,更にネットワークサーバーの検討を行った。 他方,色彩学習の方法についての研究では,現在の日本の色彩学習の起源とも言える明治期の学制及び小学教則等における色図の教授法にまで遡り,当時の配色や混色の指導法及び学習法について調査を行うと共に,色彩学習プログラムにおける回答方法の検討のため,美術教育における学習者の「自由」の考え方についての考察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
変更した計画内容については概ね遂行しつつあるが,色彩学習プログラムの使用者の範囲を広げたことで生じた新たな資料の収集及び検討,更にプログラムの開発と改良のための時間を要したことで,補助事業期間の延長を行った点を加味して上記の達成度とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究においては,現在作成中の複数の「色彩学習プログラム」を完成させ,「自学自習用ソフト」として公開する。また,色彩学習プログラムの一環として,「楽しみながら学習する」点から考案した,配色の学習に資する『色彩見本帖(仮)』を作成する。これには,これ迄の調査で収集した美術作品や建物,景観等の画像を用いて,各画像に関する配色の解説を載せる。また,『色彩見本帖(仮)』は,色材として配色を認識するための冊子とする他,色光として配色を認識するための画像ソフトとしても作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,教員養成課程の学生のみを対象にした「画像を色彩に応じて分類するソフトの開発」から,児童及び生徒を対象にした色彩学習に寄与するソフトへの変更に至る過程で,新たなプログラム内容の検討及び試作が研究の中心になったことがある。その結果,予定していた「色彩学習プログラム」実施のための「タブレット型コンピュータ」の購入,プログラム実施のための「モニタの雇用」の支出を延期になり,次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者分の残額に関しては,学会誌の掲載料及び別刷代の他,「色彩学習プログラム」作成用資料及び「タブレット型コンピュータ」の購入,更に『色彩見本帖(仮)』の作成に充て,研究分担者の残額に関しては,システム用サーバーの購入及び「モニタの雇用」に使用する。
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