本研究では、1970年以降、全国で策定された78の方針・指針を収集し、分析を行った。方針・指針の中では、「差別と偏見の排除」「国際理解と国際交流」「外国人児童生徒の進路保障」といった目的が強調されていた。こうした目的をもつ方針・指針の策定には、在日コリアンに対する差別の軽減をめざす市民運動の影響がある。その点については、1970年代の京都市の動向から読み取ることができた。方針・指針に基づいた授業実践は、京都市立陶化小学校の実践について考察した。その結果、韓国・朝鮮の民話、歌、遊び、日朝関係史といった教材を用いて、在日コリアンへの肯定的な意識と、彼らへの理解を深めていることが明らかとなった。
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