本研究では,小学校外国語活動の実践において、教員が負担感を感じることなく実践できるための授業デザインの構築を目指した。そこで、教員の外国語活動に対する負担感の要因となっている英語力(特に、発音や翻訳に関する能力)の影響を受けない授業デザインとして、ICT(Information and Communication Technology)の活用を検討した。具体的には、音声認識機能による翻訳読み上げソフトを実装したタブレット型端末により,学習者自身が日本語の台詞を英語に翻訳して英語劇を行う教育実践を行い、その効果について検討した。 その結果,授業者が数人に一台程度のタブレット型端末を準備することで、学習者は、タブレット型端末に実装された音声読み上げ機能や翻訳機能を活用して英語に触れる回数を確保でき,外国語活動に対する意識が高まるなど学習者が相互に学び合い学習を進める小学校外国語活動の学習デザインの可能性が示唆された。また,実践を通してのインタビューなどから,教員自ら英語を発音したり翻訳したりすることの少ない学習デザインにすることによって,小学校外国語活動に対する教員の負担感を軽減することが明らかとなった。 また、研究成果物として以下の論文をまとめた。 〇林俊行・水落芳明:小学校外国語活動に対する学習者の意識の向上と教員の負担感軽減を促す タブレット型端末活用の効果に関する事例的研究,上越教育大学教職大学院研究紀要,3、pp.121-130,2016.2
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