研究課題/領域番号 |
25381242
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
川崎 直哉 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40145107)
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研究分担者 |
阿部 靖子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00212556)
杵淵 信 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30261366)
田口 浩継 熊本大学, 教育学部, 教授 (50274676)
山本 利一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80334142)
鳥居 隆司 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (90207663)
小林 辰至 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (90244186)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教材開発 / 自律型ロボット / ものづくり |
研究実績の概要 |
先端的な科学技術の基礎を子どもたちに教えようとするとき,その技術を取り込んだコンパクトな標準的な教材があれば,指導者の大きな助けとなると期待されることから,本研究では,先端技術を教材化して扱いやすい形で普及することを目的とし,特に,小学校高学年から中学生までを対象として,一貫して先端技術を学べるような,子どもたちが先端技術を直接体験することができる安価な教材の開発・評価・普及とそれを用いた科学技術の啓蒙を目指している。 具体的には,マイクロコンピュータを搭載して自動走行する自律型走行ロボット等の製作を通して,小学生の場合には電子回路を組み込んだマザーボードの部分はブラックボックスとして与え,ロボット本体の「デザインと製作」および「プログラミング」を中心に,中学生の場合にはマザーボードの一部製作も含んで,子どもたちの独創性・思考力及び「ものづくり」への興味を育むことを計画している。平成26年度には開発したマイクロコントローラ搭載の自律走行型ロボットおよびソフトウェアを基に改善を行い,教員養成系大学の学部生80名程度に対しても授業の中で試行的に実践を行った。大学生に対しては製作・実践を行った一人あたりの時間は,小中学生に対して行った時間より短いため,単純な比較はできないが,このような体験をしたことがない学生も多かったことから,新鮮な印象を与えたようで学生からの評価は好ましいものであった。平成27年度は最終年度となるため,学生を中心とした大学内起業の実現を達成できるような教材とする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は上記のように当初の計画通り,開発したマイクロコントローラ搭載のマザーボードおよびソフトウェアを用い,小学校高学年から中学生までの子供たち20名程度にロボットの製作実践を試行的に行った。その際,ロボットのハードウェア製作やプログラミング環境,ソフトウェアの機能等に関していくつかの課題も見つかったが,改善が可能なものに対しては平成26年度に検討を行い改良した。例えば40名程度の受講者に対して授業実践を行おうとすると,20名程度の場合に比べて受講者の理解度の差がさらに広がることの問題や,マザーボードの動作不良率が同じでも(あらかじめ準備のための部品ハンダ付け等が学生による作業のため数パーセントの動作不良率)不良個体数全体は増加するなど,あらたな課題が出てきたため,多くの受講生の場合でも確実に動作し,授業計画等も含めて理解しやすい教材となるように,作業手順の工夫とチェック体制を見直した。それを基に平成26年度は,教員養成系大学の学部生80名程度に対しても授業の中で試行的に実践を行うこともあり,研究室レベルとしては大量の100個以上のマザーボードを動作不良率をほぼ0で製作し,学内企業の可能性を確認した。 平成26年度に見つかった課題を基に教材としての完成度や製作方法などをさらに確実なものとする必要があるが,研究全体の進捗状況という面から判断すると,2年目としては,ほぼ計画通りに進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,最終年度であるためマザーボードの完成度を高め,研究室レベルでの大量製作でも動作不良率が0となるよう安定した製作方法を確立する。具体的にはパターンデザインを変更して,取り付け作業上の確実性・能率性が向上するように素子のレイアウトを工夫する。併せて,基礎的なセンサやモータドライバーはマザーボードに標準装備,オプションのセンサやアクチュエータは拡張基板で供給することとしてあるが,オプション基板の充実を図る。特にオプションのセンサ類については,多様なものが利用可能と考えられるが,小学校で適用可能なもの,中学校で適用可能なもの等,学習レベルに応じて対応可能となるよう弾力的に開発を行ってきたが,これらも安定して製作ができるように工夫を行う。また,ロボットの機構部分の製作はこれまで以上に自由度が大きく,子どもの発想力を生かせる多様な形に改良を行い,走行型ロボットのみでなくパフォーマンスを行うようなロボットまで含んだ全体について研究分担者間で意見交換・検討を行う。 完成したロボットの量産に当たって,マザーボード基板など製作を外注依頼するものと,ギアなど汎用の部品を流用するものとに分け,外注するものについては地元企業等の協力参加も含め量産体制の確立を行い,汎用部品については価格も考慮して最終決定を行う。併せて,①製作したロボットおよび開発したソフトウェアについての教材としての有効性についての意見交換・検討,②授業実践案の作成と評価方法の開発,③製作したロボットを用いた子どもたちに対する実践方法と評価方法,などを検討した上で,これまでに引き続き課外活動や工作教室等で子どもたちに対し教材として授業実践を行う予定である。併せて,学内起業についての具体的な働きかけを含めて全体のプラニングと設立のための活動を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由については,平成26年度の最後に次年度使用する予定の電子パーツ等を購入する計画であったが,ソフトウェアの検討などを行っている間に購入申請が遅れたものである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度当初には購入予定であるため,研究全体の進捗には影響がないと考えている。
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