研究課題
先端的な科学技術の基礎を子どもたちに教えようとするとき,その技術を取り込んだコンパクトな標準的な教材があれば,指導者の大きな助けとなると期待されることから,本研究では,先端技術を教材化して扱いやすい形で普及することを目的とし,特に,小学校高学年から中学生までを対象として,一貫して先端技術を学べるような,子どもたちが先端技術を直接体験することができる安価な教材の開発・評価・普及とそれを用いた科学技術の啓蒙を目指している。具体的には,マイクロコンピュータを搭載して自動走行する自律型走行ロボット等の製作を通して,小学生の場合には電子回路を組み込んだマザーボードの部分はブラックボックスとして与え,ロボット本体の「デザインと製作」および「プログラミング」を中心に,中学生の場合にはマザーボードの一部製作も含んで,子どもたちの独創性・思考力及び「ものづくり」への興味を育むことを計画している。平成25年度は開発したマイクロコントローラ搭載のマザーボードおよびソフトウェアを用い,自律走行が可能なビークル型ロボットや簡単なパフォーマンスが可能なダンスロボットの製作を通じて,小学校高学年から中学生までの子供たち20名程度に試行的に実践を行った。子供たちからの評価は好ましいものであったが,ロボットのハードウェア製作やプログラミング環境,ソフトウェアの機能等に関していくつかの課題も見つかった。平成26年度にはそれらを基に改善を行い,教員養成系大学の学部生80名程度に対しても授業の中で試行的に実践を行ったが,このような体験をしたことがない学生も多かったことから,新鮮な印象を与えたようで学生からの評価は好ましいものであった。平成27年度は最終年度となるため,開発したマザーボードの量産化を実現し,学生を中心とした大学内起業を推進した。
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日本産業技術教育学会誌
巻: 57 ページ: 121/129