本研究の目的は、数学的モデリングを取り入れた環境教育に関する教材を開発し、実践することである。25年度は以下について研究を行った。 (1)数学的モデリングを取り入れた環境教育に関する題材を明らかにした。①自然環境として、日照時間、気温、降水量、植生、川や海の生物が他の地域とどのように違うかを比較したり、過去に比べてどのように変化しているかを調べる。②社会環境として、交通量と交通事故、ごみ処理とリサイクル、エネルギー利用と省エネルギー、産業と公害、農業が他の地域とどのように違うかを比較したり、過去に比べてどのように変化しているかを調べる。 (2)児童が数学モデリングを通して環境問題に対する理解を深める教材を開発・実践する。25年度は以下について授業実践を行った。①全国のソーラーパネル設置率のデータに基づいて富山でのソーラーパネルの設置が少ないことを確認し、設置の少ない理由を日射量に着目して、設置が一番多い佐賀のデータと比較しながら統計データを読み取る教材の開発・実践を行った。②地球温暖化に関して富山でも年間平均気温の上昇として現れていることをデータに基づいて確認し、「年間平均気温」の意味を理解する教材の開発・実践を行った。③まず富山での最高気温と最低気温の記録に基づいて、地球温暖化の影響があるかどうかを検討し、次に熱帯夜、猛暑日、真夏日、夏日、冬日、真冬日の記録に基づいて検討し、暑さや寒さを捉えるために様々な指標があることを理解する教材の開発・実践を行った。
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