本研究は教員研修プログラムの開発を目的とし、平成25年度から27年度までの3年間3回の教員研修(愛知県10年経験者研修)で試行、修正、実施を経て作成した。このプログラムは教師自身が自覚的に授業の省察フレームを構成する授業分析演習である。 平成25年度は講義・演習資料及び演習用VTR資料をプログラム実施のアイテムとして作成した。これを用いた研修を実施した。研修後、受講者に対しプログラムの良否を質問紙にて調査し、その結果を踏まえ修正を行った。 平成26年度は上記修正のために新たな演習用VTR資料を作成した。このVTR資料は国内で公開された研究授業を撮影したVTRを映像分析ソフトを用いて編集した。これらを修正プログラムとして当該年度の教員研修で実施するとともに受講後の調査で再度修正した。 最終年度(27年度)は上記修正プログラムを研修で実施するとともに、その成果を検討し、修正を加えたものを教員研修プログラムとして開発完成させた。開発したプログラムは90分×2セッションの授業分析演習である。この演習では第1セッションで自身の省察の偏向点を自覚し、第2セッションでは観点をコード化し省察フレームを自分で構成するものである。最終年度で実施した研修プログラムの成果を①受講者が作成したポートフォリオと、②「フレームは転換されたか」を問う尺度(「非常に」から「まったく」までの4段階)で調査し、その結果を日本スポーツ運動学会大会で発表した。さらに、当該プログラムの方法と結果、研修で作成した資料を報告書として製本し関連諸機関に配布する。
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