研究実績の概要 |
本研究では,情報機器変遷を考慮した技術・情報教育のための希少技術遺産復元教材の開発について研究している。学校教育においてもこの30年程度の間に技術・情報教育は劇的な変化を伴っており,特に情報教育においては変化が激しく,長期的な視点に立った情報環境の変遷を踏まえての教育内容の検討が必要となっている。この考え方に基づいて,技術・情報教育のための希少技術遺産復元教材の開発を行っている。 これまでの研究では,3次元造形教材に関わる基本的な造形手順の確立,各種計算機器の収集,それらに関わる画像データベースの構築を行ってきた。これらに加えて,ペルー・リマでの記録具としての結び縄文字を利用したキープならびに計算具としてのフィボナッチ数列を利用したユパナについて調査した。 キープについては,Museo del Banco Central de Reserva del Peru(ペルー中央準備銀行博物館),Museo Nacional de Arqueologia, Antropologia e Historia del Peru(国立人類学考古学歴史博物館),Museo Arqueologico Rafael Larco Herrera(ラファエル・ラルコ・エレラ博物館),Museum of Art of Lima(MALI,リマ美術館)を訪問し,情報収集を行った。ユパナについては,MALI(リマ美術館)を訪問し,情報収集を行った。これにより,キープについては,結び方についての詳細を把握することができ,またユパナについては,ユパナの形状が複数存在することが確認されたとともに,1桁分の加算を行う枠配置が階段状に変化してものもあることと,10の桁の記録方式に複数の種類があることが確認できた。これらにより,技術・情報教育のための希少技術遺産復元教材の開発することができた。
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