研究課題/領域番号 |
25381264
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
梅田 素博 熊本大学, 教育学部, 教授 (40213491)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 美術教育 / 光 |
研究実績の概要 |
総合的な芸術表現である美術教育のなかで、光を造形素材とした教材の検討とカリキュラムの考察を行った。ライトピクチャーは発光する光を活用した表現である。その多くは、これまで継時した発光による機器を用いることがほとんどであった。今回は、形や移動などを分明して検討する見地から、非連続による発光器を活用したライトピクチャ-を実施した。 先ず非連続による発光器の図形として、最も効果的なラインによる光の形を実験した。ラインでは、直線の組立と数的な規則を持った曲線の2つに大別した。次に矩形では正四角形、正三角形、正円を基本とした。それぞれに矩形は独立した印象を与えるものである。また矩形相互の組合せも行った。ドットについては、同じ大きさの編成によるものと大小のサイズによる編成の二つを実施した。 本年度では研究資料の収集や学術調査、そしてそれらに基づく実験制作を行い各種の全国公募展、国際企画招待展などにて教材の開発及びカリキュラム研究の成果としての作品の発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
設定した光の形の移動については、画面の天部と底部に集中する移動、画面の天部あるいは底部に集中する移動、天部から底部に流れていく移動、右寄りあるいは左寄りから逆方向に流れていく移動、画面の真ん中から周辺部あるいは周辺部から真ん中に回っていく移動、さらに移動の向きを限定せずに自由に移動するなどを実施した。なお光の形は不規則形体や無機的形体は用いなかった。そして光の形において横への移動は平坦な感じとなり落ち着いた印象と持ち、その力が強いと圧縮となる。また鉛直の移動は天部あるは底部への向きが強くなり、その力が強いと中核となる。傾斜の移動は変位の感じとなる。また光の形が細かく簡潔であった場合は、特有な図形も現れた。 以上のようなライトピクチャーにおける形と移動に関する考察を行ったが、色光については実験することができなかったため順調に進展しているとはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
色の光による表現においては、一つの色光を用いるのであれば一色の色セロハンを発光器に添付することとなる。この結果としては、光の移動によって一色による明暗の差が現れる。また複数の色セロハンを発光器に添付すると、いろいろな色の表現ができるが印象が類似する。また発光器と撮影機の間の空間に適宜に色セロハンを置く方法があるが、配色計画からは難点がある。そのため計画的な配色調和を実験できる装置を開発する。 以上のような検討に基づき研究資料の収集、学術調査さらに実験制作を行い、それらから得た知見を総合的学習のおける表現教育の研究を進め総括を行うものである。そしてこれまでと同様に各種の全国公募展、国際学術大会作品展などに研究の成果の発表を行うものである。
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次年度使用額が生じた理由 |
ライトピクチャーによる形と移動についての検討を行ったが、光の色彩については実験を行うことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
ライトピクチャーの造形表現を高めるため、色光に関する計画的な調和を考察することが可能な装置を検討する。
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