総合的学習の表現教育の視点から芸術教科である美術教育において、形、色、動き、光などの主要な造形要素に関する教材開発とカリキュラム研究を行った。光を造形素材として暗闇でその形や色を動かし、その光跡を記録するライトピクチャを実施した。これまでのライトピクチャは、連続する発光器による図形であったが、本研究では断続する光の発光器を開発し、形や色などの造形要素の特性と演習における効果を考察した。 まず基本となる演習方法については、発光器や撮影機また光の色と形などの実験を行い、幾何形の光を用いて抽象的な移動を実施することとした。そして形については、線では直線と曲線の2つに大別し、矩形では3つの基本形とその組み合わせ、点では同等の大きさと大小の変化による配置を行った。また色については、これまでの配色調節の考察を基盤に、多色による表出を検討し表現を高めるために計画的で効果的な色フィルターによる組み合わせを行った。さらに光の移動については、特定したものではなく画面全体における天部と低部での移動、右寄りと左寄りでの移動、さらに中心部と周辺部での移動、自由な移動などを工夫した。 これらの結果、表現教育における美術において、造形要素の組成を進展することができ新しい図形表現を行うことができた。また演習の方途においても、固定された編成ではなく多様なものが可能となった。そしてこれまでの学術調査、実験演習およびそれらの知見と研究成果について、各種の全国公募展、国際招待作品展また学会等にて作品発表を行った。
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