研究課題/領域番号 |
25381266
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
関 朋昭 名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (20321367)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 部活動 / 学習指導要領 / 体育教師 / 知識基盤社会 / マネジメント / 20世紀 / 学校スポーツ |
研究概要 |
今年度は、日本における学校と社会の関係性を把握するため、学習指導要領の系譜と社会の変容を俯瞰的に史観しながら、部活動の歴史的な役割と機能を再整理した。 すでに筆者の先行研究では、体育教師のエートスに着目しながら、部活動の課題を明らかにしている。しかし、この研究には、同時にいくつかの課題もある。1つは、20世紀と21世紀の体育教師像が同じで良いのかどうかが論じられていないこと、2つめは部活動と社会との関係性が論じられていないこと、3つめは、部活動を考察する上での新たな視座の提出に留まり、これからの部活動の在り方が論じられていないこと、であった。 これらの三つの指摘を分析することによって、20世紀の部活動の役割や機能を再整理することが今年度の研究目的であった。これまでの研究姿勢は、どちらかと言うと部活動を社会から独立した存在と捉え、とりわけ産業社会との関連性を考慮した論考が少ないことは否めなかった。すなわち、部活動が主体であり、学校が客体と成り、社会までを守備範囲とする視点が不足していたといえる。そこで今年度は、社会から学校を俯瞰し、部活動までを見通す視点を計画し、研究を進めることにした。 20世紀の社会といってもそれを一括りにはできるものではないため、いくつかの断片に展開し分析する必要があった。その手掛かりとして、「学習指導要領」、「学徒(生徒)の対外試合について」などをもとに、戦後を「5つの時代」に区分した。第1の時代(1946年~1960年)、第2の時代(1961年~1978年)、第3の時代(1979年~2000年)、 第4の時代(2001年~2010年)、第5の時代(2011年以降)である。 「5つの時代」において、部活動と社会がどのように関係し、またどのように部活動が展開され運営(マネジメント)が成されてきたのか、進化論的な立場から考察し明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究成果を学位博士論文(経営学)の1部(第2章)としてまとめることができた(2013/3/21、受理)。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに研究を進める。本年度は2年目であるため、これまでの分析と考察より知識基盤社会が求める部活動の更なる探求を行うことが究極的なねらいとなる。 具体的には、研究協力校へ出向き、フィールドワークを通じた部活動と教科教育外の課外活動の取り組みについて検討する予定である。
|