研究課題/領域番号 |
25381267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
渡部 昌平 秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90610874)
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研究分担者 |
渡部 諭 秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40240486)
小池 孝範 秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80550889)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 仕事理解 / 自己理解 / キャリア教育 |
研究概要 |
大学生に質問紙調査を実施し、自己理解・仕事理解とキャリア・レディネス等の関連を調べた。結果、キャリア・レディネス等と仕事理解は見た目的には(単純)相関があるものの、自己理解を含めた重回帰分析を行うと「自己理解を経由した相関」であることが示された。またインターンシップ参加大学生に質問紙調査を実施したところ、「仕事や企業に対する自分の興味や関心」「仕事や企業で必要とされる能力や態度」の理解が高い学生が「職業キャリア・レディネス」「目標指向性」が高く、「仕事や企業そのものに対する理解」「一般常識やマナー」「仕事や企業に対する自分の興味や関心」の理解が高い学生が「職業的自信」を持っていることが示された。即ち「自分の興味や関心」などの自己理解の重要性が示唆された。 続いて小中教員、高校教員・生徒、大学教員・学生、企業担当者に、自己理解・仕事理解等に関する質問紙調査を実施した。全般的に児童・生徒・学生の理解は小<中<大<高、学校の支援は小<中・高>大であり、「自分の興味や関心」はかなり分かっているが「(特に)仕事や企業に関する自分の興味や関心」になると理解度が低くなる、「自分の能力や適性、態度」「仕事や企業に対する知識」は小・中・高・大ともに低い傾向があった。なお当該調査については引きつづき分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学生だけでなく、小中教員、高校生徒・教員、大学教員、企業担当者あての調査を実施できた。他方で、小中高のキャリア教育へのアドバイスは可能であるもののその評価まで入ることが困難なこと、企業支援に入ることが困難なこと等の課題も抱えている。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究の調査・検討の過程で、アメリカのキャリア・カウンセリングで近年注目されている「質的キャリア・アセスメント」について情報を得るに至った。「質的キャリア・アセスメント」はアメリカでも1990年代以降、特に2000年代以降に活発になったもので、例えばGysbers(2006)は「質的キャリア・アセスメントは、クライエントの積極的役割を促進し自分自身について学ぶという概念を強調するため効果的」、またOsborn&Zunker(2012)では「クライエントが興味や関心を「自分のこと」(personalized)とすることができる」とするなど効果が認められている。 今後は教員=児童・生徒・学生の評価の比較研究と並行して、この「質的キャリア・アセスメント」に関する情報収集も進め、より効果的・効率的な仕事理解の在り方について検討を進めてまいりたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ入力謝金を予定より使用しなかったこと(一部は研究者自ら入力)、企業ヒアリング謝金を使わなかったこと等により次年度使用額が生じた。 今年度は引きつづき県下及び県外の小中高大及び企業への訪問に加えて、新たに調査を行うこととした「質的キャリア・アセスメント」についての調査研究を進めることとしている。
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