研究課題
本研究の目的は養護実習において、養護教諭の専門性の向上を目指した養護教諭養成の体系的プログラムを構築し標準化を図ることである。文献研究の結果、養護教諭養成校がこの10年で7倍に増えていること、実習形態や内容が多様化・複雑化していることから、実習の現状を調査する必要が示された。2013年は養成大学への調査を実施した。2014年は養護実習生を対象に養護実習の現状と課題を明らかにすることを目的に質問紙調査を実施した。本年度は2014年度の調査を分析し日本健康相談活動学会へ報告し、論文を投稿した。学生からの養護実習の評価として、実習に関して85.5%が満足していると回答した。実習内容とその方法に関して、救急処置においては86.4%、保健指導集団においては77.6%、環境衛生においては76.9%が「体験」をしていた。学校運営においては96.2% 、安全管理においては78.6% 、組織活動においては74.5%が「体験なし」か「講話のみ」であった。保健学習においては35.3%が「体験なし」であった。目標の達成度において、全体の70%以上が全ての項目において目標を達成できたと回答した。しかしながら、「学校現場における研究の意義や必要性の理解」においては24.7%、「子どものニーズに応えるための方法の取得」においては28.8%が「どちらでもない」又は「できなかった」と回答した。実習への意欲に関して、全体の90%以上が「積極的に取り組んだ」、「意欲的に取り組んだ」と回答した。しかしながら、「実習中に気持ちが不安定になった」の回答が38.3%、「指導養護教諭とのコミュニケーションがとれなかった」の回答が10.2%、「大学のサポートが得られなかった」の回答が17.6%であったことから、実習中の学生のサポートの必要性が明らかになった。
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学校保健研究
巻: 2 ページ: 不明