平成28年度は、本研究の課題を「持続可能な社会の構築」という大きな主題の下に包括して、研究発表と出版物の作成を行った。 平成27年8月に、中国新疆自治区で開催された日中韓環境教育ワークショップにて、「日本の学校における環境教育の動向」と題して発表した。主に、放射線・エネルギー問題の背景にある学校環境教育の現状と課題について講演した。出版物では、平成27年4月に『原発事故を子どもたちにどう伝えるか』(阿部治編著・合同出版)所収の「原発事故問題は教育プログラム化できるか」、7月に『持続可能性の教育』(教育出版)所収の「地域の多様な教育実践を生かした実践」という論文、同じく7月に『環境教育』第25巻1号所収の「学校ESD実践における『能力育成論』の考察」、3月に『持続可能な未来のための教職論』(学文社)を編集し出版できた。 諸年度当初に計画していたカリキュラム論に関する研究は十分でなかったが、平成26・27年度に参加したワークショップから、日中韓の枠組みの中でエネルギー問題を考え発信する活動、本年度の執筆活動から、「持続可能性」の枠組みと「能力育成論」の観点から課題を深めることができた。
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