保育所・幼稚園内に「小学校移行支援研究プロジェクト委員会」を組織し、専門委員会の「プログラム開発チーム」と「指導実践チーム」を設定した。 プログラム開発チームは、保育所・幼稚園に巡回相談を実施して、発達障害児等の特別支援児のスクリーニングを実施し、個別検査の実施・解釈し支援方法等を提示した。指導実践チームは、これまでの保育活動を検討し、デンマークやアメリカの先進研究を参考にしながら、小1プログレムを防ぐ移行支援プログラムとして保育活動40題材を考案した。主な内容は、「音楽、認知、運動、言語など」であり、その40題材についてモデル園で実践した。 一方、保育士・幼稚園教諭に対しては、特別支援教育関連の研修講座(概論、アセスメント、理解と支援方法、指導計画作成など12時間程度)を企画し実施した。また、保育所・幼稚園でスクリーニングを実施しながら特別支援児を選定し、その特別支援児の個別の保育計画(個別の教育支援計画や個別の指導計画)を考案するとともに保育所・幼稚園に提案した。 さらに、本研究の効果を検証するために、関係する保育士・幼稚園教諭、及び保護者を対象に小学校移行支援プログラムの内容についてアンケート調査を行ったり、小学校1年生での学習集中度、不登校傾向、いじめ発生傾向、学力偏差値、知能指数などを調査して移行支援プログラムの有効性を明らかにした。これらの結果は、学会や研究会等で公表しながら検討するとともに、『小1プロブレムを防ぐ保育活動』として出版し、保育所・幼稚園に配布した。
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