研究課題/領域番号 |
25381299
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
泉 真由子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00401620)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 病弱特別支援学校 / センター的機能 / 病虚弱児 / 通常小中学校 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「病弱特別支援学校のセンター的機能を有効化し、地域の通常小中学校に在籍する病虚弱児がもつ教育的ニーズへの対応システムモデルを構築する」ことである。そのために【1】地域相談システム構築のためのモデル地区内関係者協議会の設置、【2】モデル地区内の通常小中学校教員の病虚弱児教育に対する意識調査(事前調査)、【3】通常小中学校における病虚弱児への特別支援教育の意義と必要性の啓蒙、【4】通常小中学校における病虚弱児支援ケースの収集と継続的ケース支援、【5】通常小中学校における病虚弱児の教育的ニーズの洗い出しと支援内容や効果の多面的質的評価、【6】モデル地区内の通常小中学校教諭の病虚弱児教育に対する意識調査(事後調査)、【7】地域相談システムモデルの立案、といった7段階の研究計画を立てた。地域の病弱特別支援学校と連携して実際のケース支援を取り組み、これを通して効率的で運用可能な地域における対応システムモデルの構築を目指している。 26年度は、前年度ケース支援活動の候補として挙げた6つの小中学校から、実際に保護者の同意が得られた8ケース(4つの小学校)についてケース支援を行った。平均して2~3週間に1回30分程度、児童本人や保護者との面談を行った。同時に授業場面の観察、学校と医療機関、および地域の関係諸機関とのケースカンファレンスを定期的に実施した。多職種の専門家がそれぞれの立場から当該児童やその家族に関する情報を提供・共有することにより、支援がそれまでより安定的に行えるようになった。またケース支援を行っていく中で本人や保護者より進級・進学への不安が語られ、病弱特別支援学校に関する情報を提供し進路の選択肢の有力な一つとして認識されるようになった。27年度は現時点でケース支援が継続している3ケースと今年度より新規に依頼のあった4ケースについてケース支援を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケース支援活動は予定より実施校数は少ないものの、ケース数自体は多く、学校や家庭、あるいは地域の関係諸機関とも有意義な連携のもと活動を進めてることが出来ていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は引き続き、通常小中学校における病虚弱児支援ケースの収集と継続的ケース支援、通常小中学校における病虚弱児の教育的ニーズの洗い出しと支援内容や効果の多面的質的評価、モデル地区内の通常小中学校教諭の病虚弱児教育に対する意識調査(事後調査)を実施し、また最終年度として地域相談システムモデルの立案を行っていく。
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