本研究では,重障児の感覚機能活用を促進する生活刺激環境(かかわり環境)を各々の療育者が自発的に評価・改善するための間接的介入プログラムを開発することを目的とした.(1)予備的検討として,療育スタッフのかかわりについて調査した結果,職種によるかかわりの偏りが認められた.(2)この成果をもとに,重障児病棟スタッフを対象に①かかわりについての自己評価シートの開発と実施②生理測定データに基づく客観的な情報提供,を実施した.結果,自己評価シートの得点の上昇と日常の生活刺激の変化が認められた.(3)さらに,対象病棟で生活する重障事例の心拍反応の分化が認められた.本研究で試みた間接的介入は有効といえる.
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