マルチメディアDAISY教科書を含むデジタル教材を使用している小中学校の特別支援学級及び通級指導教室、特別支援学校の教員及び児童生徒を対象に、学習支援の実施に関する調査を行い、体系的に学習支援の実態を明らかにした。その実態調査に基づき、マルチメディアDAISY教科書を含むデジタル教材の「導入方法」、「活用方法」、「評価方法」等からなる読み書き障害のある児童生徒の学習支援プログラムを作成した。また、マルチメディアDAISY教科書を効率的に活用するために、教員・図書館司書・障害当事者等の研究協力者とともに「音声入力」、「テキスト入力」、「画像処理」等の担当からなる「DAISY教材製作チーム」を結成し、プログラムの一部として組み込んだ。学習支援プログラムはマルチメディアDAISY教科書を中心に活用するものの、副教材の活用も視野に入れ、PLEXTALKProducerを用いて製作した。その学習支援プログラムを小中学校・特別支援学校で試行し、有効性の検証を行った。有効性の検証方法として、①森田-愛媛式読み書き検査、②自尊感情測定尺度、③印象的評定、④特異的発達障害ガイドライン 特異的読字障害、⑤視線の軌跡の測定、⑥読みの流暢性の測定、⑦適応型言語能力検査等を事前・事後で実施した。開発した学習支援プログラムのモデルを提案し、学校・教育委員会と連携し、学習支援システムのモデルを構築し、全国規模で展開するための具体的内容を示した。
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