本研究では、活動参加を拒否する自閉症スペクトラム障害の子ども(ASD児)に対してビデオヒーローモデリング(VHM)を実施し、その効果を検証することを目的とした。本研究の対象児は知的障害特別支援学校小学部に在籍する男児3名であった。拒否的な行動を示した活動内容は、手洗い後の手拭きや着替え後の服たたみ、上靴そろえ等、活動それ自体に興味を見出しにくいものであった。VHMを実施した結果、どの行動もVHMを導入した直後に改善が確認された。ただし、一部の行動において、対象児が活動に参加しているところをヒーローが褒める要素を含むビデオを提示した時の方が安定的な行動改善が確認された。
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