教育、医療、福祉とのネットワーク構築をさらに進めた。教育との連携では、特別支援学校や就学全施設からの要望が高かったコミュニケーションや摂食指導の研修を行い、継続して専門的知識を提供することにより、教員の指導力の向上が見込まれることが明らかになった。コミュニケーション支援としてタブレット端末、摂食指導に必要な子の実態に応じた食具等の貸し出しを行い、適切な指導を主体的に継続していけるようにした。これらの取り組みには保護者も参加し、学校と保護者をつなぐ役割も果たした。また、保護者からの水中活動への希望は多いが、地方都市では重症心身障害児の身体活動を行える施設や機会がほとんどなく、心身のリラクセーション、身体機能の維持向上を目指す支援方法の検討を始めた。医療との連携では、隣接する医療機関に教員養成課程の学生を派遣し、教育から長期離脱している児童生徒への学習・余暇支援を行った。医療機関のスタッフを対象に学習・余暇支援を行う学生に必要な心構え、知識、技能についてアンケート調査を行い、支援に入る前に身に付けておくべき事項、支援をしながら身に付けていく事項を明らかにした。福祉との連携では、引き続き、重症心身障害児の支援を行っている施設等との学習会を継続して行った。 これらの活動の中で、重要な支援方法を広めるべく、重症心身障害児の教育関係者向けのHPを開設し、E-leaningコンテンツをアップロードする準備を進めているが、HP作成に時間を要し、3月末現在、動画のアップロードには至っていない。 これらの活動を通して、地方都市に暮らす重症心身障害児の生活の質の向上を図ってきた。各機関レベルでの支援の質が向上してきている。一方で、各機関の連携による支援の質の向上については評価しきれていない。今後は各機関の連携を評価する指標が必要であると考える。
|